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新しい蕎麦包丁

 今月はなんとも忙しい日が続く。今日も、蕎麦を打っている最中に、電話で予約が何件か入り、結局、もう一回打つことになった。
 こうなるとのんびりと打っているわけには行かない。スピードが要求される。私は切りが下手である。

 手打ちの技術習得に掛かる期間を称して「包丁三日、延し三月、木鉢三年」とか、やさしい順番から「一捏ね、二延し、三包丁」と昔から言われる。

 しかし、そうであろうか。どうも人によって、手打ちの技術習得にも、違いかあるようだ。
 私などは、今でも、一番簡単で、直ぐにでも習得可能と言われている「包丁捌き」が不得意なのだ。
 予約が多くて蕎麦打ちのスピードを要求される場合には、慌てると包丁の手元のほうが進みすぎてしまう。麺体に対して、平行に移動しないのだ。

 また、性分がケチのせいか麺体にうち粉を少なくふりかける癖がある。包丁の刃にそばが付着してしまうのだ。Cimg3581
 こんなことでは、そば屋としては失格なのであるが・・・。

 自分の未熟さを包丁のせいにして、今月、新しい包丁を買った。
 以前から、気になっており、株式会社 セキカワとメールをやり取りしていたところ、11月の水戸の蕎麦祭りに出展すると言うメールを頂いた。

 越後伝統の職人の鍛造技術で極限まで鍛え上たといわれる左藤蔵のそば切包丁である。 平成16年だったろうか新潟中部地方が地震によって壊滅的な打撃を受けた。地震から、4年が経つが、立ち直ったのだろうか。今年世界を襲った同時株安、世界同時不況でこの業界も難しい局面を迎えるだろう。
 小林幸子の歌ではないが、頑張ってほしいものである。Cimg3583
 

 さて、今まで、使っていた包丁は、重心のバランスに問題があったし、本刃付けの部分が酸化しやすかった。確かに、包丁のせいに出来ない事も無い。
 この為、平行移動しなかったり、酸化した刃の部分に麺が付きやすかったことは確かである。

 包丁を新しく取り替えたことによって、まな板の位置(高さ)に対して包丁の位置(高さ)が少し低く、動作に無理があったことにも気がついた。
 切っていくに従ってどうしても手元が低くなり、自然に手元のほうが進んでしまうようだ。
 
 手元が進みすぎたり、包丁の先が進みすぎたりして平行に移動しないときは、足の置く位置を前後に変えることで、修正は可能である。

 私の場合は、高さの位置に問題であったのである。

 
 さて、新しい包丁であるが、握りがしっくりこなかったので、木工やすりで修正を行った。
 新しい包丁が、やっと手に馴染んできて、握りやすくなり、送りもスムーズになり、スピードを上げても、問題なく平行移動するようになった。

 重さも780グラムと今まで(950グラム)のより軽くてスピードを上げてきっても疲れない。
 スパッと切れて、切れ味も鋭い。満足しているところである。
 
 

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そば処 暁山」カテゴリの記事

コメント

夢八さん
 やっと手に馴染みスピードアップ出来るようになりました。
 まずは気合をこめて大晦日をこなしたいと張り切っております。
 早いもので、夢八さんとお会いしてから、もう一年が経過いたしました。
 「こだわり蕎麦屋の始め方」は今でも繰り返し読んでおります。
 さすがに、人気店であったご亭主の書いた本はつぼを心得ております。
 ブログも読ませていただいております。そば屋を見る視点が違いますね。
 来年もよろしくお願いいたします。

 よいお年をお迎えください。
 

投稿: そばがき | 2008年12月30日 (火) 19時45分

僕も自分に合う包丁を手に入れたときは
嬉しかったですね。

自分に合うと思った途端、それが
また好きになるし、ドンドン上手くなった
ものでした。
暗示こそがまた進歩の元ですね。

明日、大晦日大変ですね
頑張ってください。

投稿: 夢八 | 2008年12月30日 (火) 15時05分

 夢八さん・そば箸さんとの出会いを提供できたこと、こちらこそ感謝です。
 蕎麦を超えたレベルの高いお話は、私を奮い立たせるに充分でした。

 年越し蕎麦楽しみにしていてくださいね。
 では、お待ちいたしております。

投稿: そばがき | 2008年12月30日 (火) 07時59分

今年は夢八さん・そば箸さんとの出会いがあり、
蕎麦色々を知りました(暁山サンとお二方に感謝!!)
切りといい そば粉といい そばつゆといい
『蕎麦』は本当に奥が深いですね。
いつかお二方と、暁山さんで一献したいものです!

新しい包丁で切られたお蕎麦~年越し蕎麦がマスマス楽しみです♪

投稿: ありこ | 2008年12月29日 (月) 23時00分

辛汁さん
 人それぞれの進歩具合です。
 私など老後のボケ防止のつもりです。
 なーちゃって!

 これではお客様に失礼ですね。

 来年も、真剣に蕎麦うちにチャレンジいたします。
 では、よいお年を!

投稿: そばがき | 2008年12月29日 (月) 12時42分

綺麗に細く切って当たり前のそば切り

どうも 木鉢誤魔化して3ヶ月
のし適当で3日、包丁は後3年掛かりそう。

粗挽きの粒子をスパッと切れる
レザー方式とか 発明して欲しいものです。

では 良いお年を・・・

投稿: 辛汁 | 2008年12月29日 (月) 09時07分

そば箸さん
 包丁が手に馴染むまで時間がかかりました。
 柄の部分をもう少し細くするともっとよくなると思います。
 そのうち包丁談義でもいたしましょう。

投稿: そばがき | 2008年12月28日 (日) 22時42分

そばんちさん
 いつごろから、包丁三日など言われるようになったのでしょう。
 昔は、よい粉が無くて、打つのが難しかったのでしょうか。
 このようなことが背景にあり、推測ですが、切る技術より、打つ技術のほうが熟練を要したのでしょう。

投稿: そばがき | 2008年12月28日 (日) 22時39分

すばらしい包丁ですね!
私も軽いほうが良いと初めに買った包丁は
あまりに軽すぎて、そうめん用になってます。
その人に合う重さがあるんですねぇ。

投稿: そば箸 | 2008年12月28日 (日) 20時53分

私も書こうと思っていた包丁3番目はホントか?
そば打ちして一番上手く行かなかったのは私も切りで、又、今まで教えた生徒さんも切りが難しく感じています。
所謂そば打ちの難しさ、奥の深さ、を誇張した言い方ではないかと思っています。

投稿: そばんち | 2008年12月27日 (土) 23時27分

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