蕎麦ってなーに? 玄蕎麦の再生 その3 美味い蕎麦を打つ
水洗い、陰干しすることによって、玄蕎麦に水分が吸収され、少し芽が動くのでしょう。
天日干しをする時間にも、神経を使います。
玄蕎麦に含まれる水分を適切にするには、季節によって、干す時間を変えることが肝心です。
適切な水分率17%前後はよいといわれておりますが、水分計で図ったのではありませんから、正確なところはわかりません。
石臼でよく挽ける程度といっておきます。
石臼で挽いたそば粉はまだ大きな殻が混ざったままです。
省略した部分は当店のホームページ
で詳しく説明しておりますので、ご覧ください。
甘皮、胚芽、そば殻が交じり合ったものが残りますので、高速ミキサーにかけて粉にします。 写真 ミキサーにかけられた粉
ここの部分を捨てずに挽き入れることが、美味しい蕎麦を打つポイントなのです。
蕎麦の持っているルチンやビタミンB1、B2が全部といっていいほど挽きこまれるからです。
(ルチンは表層部(甘皮)から取れ、ビタミンB1は胚芽に多く含まれています。とくに、胚芽は水分を一度与えられているので、芽が動きビタミンB1は多くなっていると推定してます。)
この粉とその前に篩っておいた粉をブレンドして、蕎麦を打つのです。
蕎麦本来の風味のある蕎麦が出来上がります。
当店の方法は、
二次機能(蕎麦の美味しさ)と一次機能(蕎麦の栄養成分)、三次機能(人の健康にかかわる)を最大限に生かす方法だろうと自負しています。
蕎麦の一次機能、二次機能、三次機能を調和させて、その機能を最大限に生かすこと。
蕎麦ってなーに 8シリーズに書きたかった本題でした。
一口手繰りながら「この蕎麦美味い!」と、口の中一杯の幸せを感じさせる蕎麦を目指したいのです。
「口福そば」と名付けたいと存知ます。
当店の蕎麦を一度は食べていただいて、皆様のご評価をお願いしたいと存じます。
蕎麦ってなーに? というシリーズで8回書いてまいりました。
蕎麦については、打ち方、食べ方、そば湯、そば汁、その他、いろいろな方が薀蓄を語っておりますが、
玄蕎麦の変化を考察したものは少ないと存じます。
玄蕎麦に加工(変化)を施して、その粉をそば切りにする寒ざらし蕎麦。私の知っている限りでは、この方法ひとつだけです。
丸抜き実については、すでに立派な研究がなされています。
丸抜きの実を発芽させて蕎麦を打ちの研究、発芽そば切りとしてお客様に提供しているおお西 店主 大西利光氏を上げることができるでしょう。(詳しくは 発芽そばへの道 川辺書林」)
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