晒し玄蕎麦と水分量について
晒し玄蕎麦の水分量はどのくらいあるのか計量したことがなかったので、本日、常陸農協高萩支店で計測をしていただいた。
12時間晒して、陰干しを二日した後、天日で一日干した水分量は19.2%であった。
同じ方法で作られた玄蕎麦を10日間冷蔵庫で保存した玄蕎麦の水分量は15.7%でした。
これを石臼で挽いた結果は19.8%の晒し玄蕎麦の方が断然香りと甘みが強いということが判明しました。
このことは、以下までも経験則で判っていたことですが、改めて水分量と風味の関係が立証できました。
さて、蕎麦の水分量15%が規格(昭和27年設定)と云われています。
これは何を意味しているのでしょうか。
保管技術が良好でなかった時代は、長期に保管すると品質が劣化して異臭がでたり、カビが生えたする現象があるからである。
生産農家や業者は、やはり出荷規格があるので、それに合格するように水分量を調整するであろう。このこと(水分量15%)は美味しいそば粉を作ることとは、大きく関係していることではないのである。
水分量と風味の関係を深く考察してみると、15%がむしろ邪魔になるのだ。玄蕎麦を水に晒すという行為は水分を何十%も与えることなのである。
私の周りの農家の方も玄蕎麦を晒すと云う行為を見てびっくりしていた。「蕎麦がだめになるよ!」と・・・
しかし、この方法は、品質が劣化してしまった玄蕎麦であっても、見事に、新そば以上に美味しさがよみがえるのである。
うそのような本当な話である。
このことから判ることは、水分量15%は美味しさとは関係がないという事より、15%に囚われないように考えるべきであろう。
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